2008年1月8日火曜日

空気公団10周年記念イベント「空装」に行ってきました。

080106kuusou.jpg 昨年結成10周年を迎えた空気公団の記念イベント「空装」に行ってきました。

これまでに発表された数々の楽曲が新たな(そして常に変化し続けるような)装いを纏って、ステージの奥からこちらに歩み寄ってくるような感覚、とでも言いましょうか。空間に放たれたその装いが様々な形で降ってくるような感覚、とでも言いましょうか。不思議な感覚でした。

面白かったのはやっぱり珍しいキノコ舞踏団によるパフォーマンスで、水や空気の流れのようにしなやかなで流麗な振り付けから、人の細かな動きがとにかくバックの演奏にあってて、この曲のこの音にはこういった解釈があるんだ!と気付かされたりしました。荒井良二さんのライブペインティングも同様、曲のイメージを湧き立たせると同時に、ライブペインティングというのは絵を描き上げるってことじゃなく、キャンパス上で物語を作っていくことなんだなぁと改めて認識。

1時間強というライブというには短い時間かもしれませんが、ひとつのアートパフォーマンスとしては実に完成されているものだと思いました。終演後の挨拶をよく決めてないあたり、彼ららしいなと思いました。

以下、感想というより詳細。


会場は東京芸術劇場小ホール。
・・・予想通り池袋駅構内で迷いました(池袋駅は何回行っても慣れません)。

物販と展示
整理番号順に入場、アンケート用紙とフライヤをもらうと物販ブースと展示ブース。先に席を押さえてから物販で作品集のコードブックを購入。物販ブースがちょっとグダグダだったけど2回目以降は並んだ順で買えるようになっててよかった。
展示ブースでは空気公団のこれまでの歴史とグッズ(初期のカセット、フライヤ、おかいもの展LP、田中さん人形など)が展示されてまして、少し懐かしい気分に。2台のプロジェクタで写真家TAKAMURADAISUKEさんの作品が上映されていましたが、上映されてた中には昨年春に行われた青森県立美術館でのイベントの写真もありました。全員分のひとり写真と全体写真、演奏写真など。2回目の公演のとき、TAKAMURADAISUKEさんから直接声掛けられて「無断で使ってすみませんー」と謝られましたがなんの、光栄でございます。代わりにあとで写真貰えることになりました。当面の遺影はこの写真を使ってほしいところです。


ライブ
ステージは中央が大きくせり出し両側に囲むように座席が配置。奥にはスクリーンが張ってあってこれまでの空気公団の映像・写真などが繰り返し流されています。

会場が暗転。唐突に始まる演奏、と同時にスクリーンには映像が流されます。曲は「休日」。空気公団最初期の曲であり、「空気公団作品集」ではクラムボンのミトさんのベースをメインにしたインストに変貌していた曲です。映像は「休日」の歌詞とリンクしたもので、家からバスに乗り、知らない町を経て、最終的には会場である東京芸術劇場へたどり着く、といった感じです。

曲が終わるとまだ映像。公園に佇む空気公団のメンバー、ふと山崎さんが本を開くと(最初は本を持ってなかったが開く動作をすると現れる映像)そこには空気公団から観に来てくれたお客さんへのメッセージ。

次の曲「季節の風達」が始まると同時にスクリーンが上がり、ここで初めてスクリーンの裏で演奏しているメンバーとご対面です。ステージに向かって左から戸川さん、山口ともさん、窪田さん、良原リエさん、石坂義晴さん、山崎さん。ちなみに2回目と3回目には一部でノーナ・リーヴスの奥田健介さんも参加。

「うしろまえ公園」で珍しいキノコ舞踏団(3名)登場。3人で演じる1匹の虫のような動きで始まります。それが舞台上で離れたり、くっついたり、流れたり。

「トントンドア」は絵本のバージョン。スクリーンには荒井良二さんのキャンパスが映し出され、ボタンや切り絵がちりばめられて行きます。驚いたのは水色に塗られた下方の枠。あれが一つあるだけで、世界が変わって海の上になるから不思議。絵の上に船が置かれると汽笛のような音が鳴ったり。曲が終わると出来上がった作品を取り除いて新たなキャンパスへ。曲は「紛れて誰を言え」。出来上がった絵は講演毎に少しずつ違っているんだけど、ちゃんとストーリーが成り立ってるように思える。絵を描くってのは1色毎にレイヤーを重ねていくことなんだな。新たな色を重ねるごとに話は進んでいって、最終的にキャンパスは塗り潰されたとしても過程を見た人にしか分からない閉じ込められた物語がそこにはあるんだなぁと思った。ああそうか、紛れて・・・か、と思ったり。これは多分深読みしすぎだと思うけど。

絵を描いているステージ裏の荒井さんからカメラは動いて、スクリーンの後ろにいるメンバーを映し出す(スクリーンはあがってなくてスクリーン後ろの様子がスクリーンに映し出されている状態)。曲は「あかさたな」。1台のカメラでめまぐるしくメンバーを映し出す。この曲の肝は山口ともさんが鳴らしている様々な音だと思うんだけど、楽器のセッティングの関係でほとんど後ろ向きで何やってるか分からなかったのが残念。2公演目、3公演目では少し解消されたっぽいけど。

続く「白いリボン」のイントロに乗ってスクリーンが上がると再び珍しいキノコ舞踏団の登場。大きな振りで舞う様子はリボンなのでしょうか。「おくりもの」ツアーでは4人(空気公団+山口ともさん)での演奏だったけど、大人数でやると曲の壮大さが違う。リボンが宙を舞いながらゆっくりほどけていく感じがするんだな。

再びスクリーンは降りて「思い出俄爛道」。映像は曲のイメージ通りのPV。最初にこの歌を聴いた時は「なんか救われない歌詞だなぁ」と思ってたんだけど、映像ではちゃんと救われてるっていうか立ち直れてるんだよね、これ。

次の曲が公演毎に違ってて、1回目が「今朝少しそう思った」、2回目が「それはまるで」、3回目が「ポロンちゃん」。スクリーンには荒井さんのライブペインティング。3回目の「ポロンちゃん」が個人的にはベストかなぁ。荒井さんの絵(ポロンちゃんを描いてはいないんだけど)をバックに「ポロンちゃん」って。その流れで「あさの弾み」。珍しいキノコ舞踏団の登場、スクリーンは上がり(ちなみにスクリーンは透けないスクリーンと透けてるスクリーンの2重構造で、基本的にバンドが見えてるときは透けてるスクリーン越しでした)、バンドが演奏するところにうっすらと荒井さんのライブペインティングも重なるという演出。ここで珍しいキノコ舞踏団が見せた1音で「ハッ」として、次の音で肩をすぼめるという動作があったんだけど、これにすごく心打たれた。「あああ、なるほどねーっ!」と声に出したかったくらい。この曲って最初はQuip Magazine付属のCDについてきてたんだっけか。

「窓辺」は手と光とパラパラアニメの映像。あのLEDの動きは空気公団の歴史を表しているんだよね、きっと(その解釈で言うと窪田さんが緑なのはなぜだろう)。映像は机上の冊子を映し出し、表紙がめくられると同時に始まったのが「旅をしませんか」。ページをめくるたびにイベント参加メンバーは元より、これまで楽曲に参加してくれた多くの人たちの名前が映像とともに流れる。曲はいつしか「おくりもの」にかわる。めくられたページに書かれた Special Thanks、そこに手書きで 旧メンバー 小山いずみさんと石井敦子さんの名前、そしてグリーンピース君が書き足される。

スクリーンが上がり、演奏メンバー登場。促されるように珍しいキノコ舞踏団の面々がステージ並び、最後に荒井良二さんが完成した絵を持って登場。空気公団の3人が舞台中央に並び、礼をして終わり。

2回目の公演のときは、窪田さんが「ありがとうございました。今年1年もまたがんばります」的なことをマイク通さずに挨拶して終了。



で、最終公演だけは最後アンコールでもう一度「白いリボン」を演奏(どうもノープランっぽい)。荒井さんが山口ともさんの後ろで適当に鳴り物ならしたりおどけたり、珍しいキノコ舞踏団がかなり自由に踊ってたり(一人舞台から落ちたり)。そうそう、このときの演奏メンバーにも奥田さんがいたっけ。演奏終了後は戸川さんが軽く挨拶の言葉を残して終了。




どれも1時間強。
イベントそのものを作品してみると、とても濃い1時間でした。



以下はセットリスト:

空装 1回目
休日
季節の風達
うしろまえ公園
トントンドア
紛れて誰を言え
あかさたな
白いリボン
思い出俄爛道
今朝少しそう思った
あさの弾み
窓辺
旅に出ませんか
おくりもの


空装 2回目
休日
季節の風達
うしろまえ公園
トントンドア
紛れて誰を言え
あかさたな
白いリボン
思い出俄爛道
それはまるで
あさの弾み
窓辺
旅に出ませんか
おくりもの



空装 3回目
休日
季節の風達
うしろまえ公園
トントンドア
紛れて誰を言え
あかさたな
白いリボン
思い出俄爛道
ポロンちゃん
あさの弾み
窓辺
旅に出ませんか
おくりもの
- encore -
白いリボン



その他映像ネタ:
2回目の開演前の映像には1回目の物販の様子が映し出されてた(俺映ってた)。
3回目の開演前の映像はなぜかなかなか映し出されなかったけど、バックステージの様子が生で少し。あと「あかさたな」のときには物販スタッフのおじぎが映し出されてた。


いやぁ、読みづらくてスミマセン。

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