2007年5月23日水曜日

オペレーション・マインドクライム

というわけで退院しました。

病名?は、「左膝蜂窩織炎(ほうかしきえん) 左膝皮下膿瘍」。蜂窩織炎というのは、皮下脂肪組織にばい菌が入り込み、化膿・炎症を起こした状態(参考:gooヘルスケア 蜂窩織炎)。「皮下膿瘍」はその膿が皮膚を破って外に滲み出てくる状態です。要は、膝の中に膿が溜まり過ぎて染み出てきちゃったわけですね。
で、本来は抗生物質の投与や患部の冷却を繰り返すと1週間程度で治るようなんですが、発症に気付いたのがゴールデンウィーク直前、しかも函館への休日出勤もあり、という状況で病院に行けないという状況。そんな中、左足はどんどん腫れ上がっていき、自分の「俺の体なんかヤバイ」感も日に日に盛り上がりを見せていました。




で、漸く医者に見せたのが5月7日の夜。自分に限ってなのかどうか分かりませんが、この蜂窩織炎、全然痛みが無いのです。腫れてるなぁ、とは思っても、痛みがまったく無いので危機感が無いんですな(ただ腫れた足で歩くのは変な重石をくくりつけられてるようで、自然と片足を引きずる歩き方にはなった)。医者が傷を見た瞬間のあの顔は忘れられない。あぁ、絶句ってこういうことかぁ、みたいな顔。そこで初めて事の重大性に気付いたわけです。だってそのときまでは、休日出勤した分の振り替えを使って5月10日の曽我部BANDのライブ(仙台)を観に行こう、というグッドアイディアに心奪われてたので。一応、腫れが引くまで1日2回の抗生剤の点滴を5日間するようにとのお達しが。

点滴3日目、9日午前。一向に引く気配の無い左ひざの腫れに医者の一言「やっぱ膿を除去しなきゃダメだな・・・よし、手術。今日」。今日Σ(゚Д゚,,)!今日って!ちなみに仕事を抜けて病院行ってたので普通にスーツ姿。どうやって準備しろと。なんだかんだ交渉の末、翌10日入院、11日手術に決定。ある程度急ぎの仕事だけを片付けて入院。

入院1日目。入院そのものは22年振り。前回の入院は髄膜炎で、これも菌絡み。インフルエンザにもかかりやすいことから「菌に好かれる松本さん」と医者に呼ばれる。

入院2日目。手術日。患部の容態次第では思いっきり切る可能性もある、とのことで腰椎麻酔の準備も行う。腰椎麻酔は下半身全部に麻酔をかけるので、まず半日は排泄がダダ漏れになる。なるべくダダ漏れしないようにということで1日飯食えないし、手術の前には予め下剤と浣腸でなんかもう体の中を色々空っぽにしなければならない。多分浣腸したのも20年ぶりぐらい、若い看護婦に思いっきりやられた。ついでに左足全体を剃毛も。自分の足に気持ち悪い色っぽさを感じた。
手術は13時半から。普通に歩けるんだけどなんか車椅子で行かなきゃダメっぽい(事前に飲んだ薬の作用のせいらしいんだけど)。手術台に寝かされ、色々な準備の後に手術スタート。医者が患部を見て「あー、局所麻酔で大丈夫みたいね」。正直すげーホッとした。左足の洗浄、麻酔、そして切開。麻酔と腫れすぎた皮膚のせいで何がどうなっているのかよく分からないのが実情。「局所麻酔だったから飯食えるけど、昼飯食べる?」との言葉に「あ、食べていいんですか?食べます食べます」と足を切られながら答える俺。なんかシュールだな、手術室。切開が終わったら膿を取って洗い流す作業。なんか生暖かい液体を吹きかけられているような感覚が不思議。洗って縫って包帯巻いてで終わり。30分程度、終始和やかな手術でした。
手術後は左足を心臓より高く置き、アイシングマシーンでひねもすひやす。ちなみに手術当日から松葉杖使って歩いてました。

ちなみに局所麻酔で済んだのは患部の腫れが引きつつあったため。なんで腫れが引いたかというと、菌が繁殖していた「滑膜」と呼ばれる部分が粗方食い尽くされており、そういう意味では峠は過ぎてたわけですな。手術名も「滑膜除去」になってました。ところで滑膜除去したことで影響ってどんなもんなんでしょう。自転車乗って100kmとか走っても問題ないんだろうか。

術後はひたすら足を冷やし、抗生剤を点滴し、読書とDS(風来のシレン)三昧。ここ最近の個人的なダイエットブームを助長するチャンスかもしれん、と思って毎食米を半分残したり(カロリー計算されているものを更に食わないわけで、結果3~4キロ痩せた)。

ひたすら隔世された生活を続けた入院11日目。その頃左ひざ全体はウロコのようなかさぶたで覆われている。7針ほど縫った傷跡の経過も良好、抜糸のあとで入浴許可が下りる。かさぶたはほっといてもぽろぽろ落ちるほど。シャワーを強めにして一気に流すとかさぶたの下からは生娘のような真新しいすべすべ膝が。ちょっと感動。浴室で。全裸で。

で、入院12日目(っていうか今日ですけどね)、最後の検査を終えて退院。おめでとう。術後の経過を診るためにまだ通院しなくてはならないようだけど。それにしたって、なんと快適な入院生活だったことか。読んだ本12冊(筒井康隆とか綾辻行人とかオーケンとか)。シレンで死んだ回数56回。

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