2004年10月17日日曜日
ZDOB SI ZDUB / 450обеч(450頭の羊)
■ ZDOB SI ZDUB / 450обеч(450頭の羊)/ 2004 ロシア盤
モルドバ共和国(*)出身のハードコア/ミクスチャ/民謡バンド"ZDOB SI ZDUB"の4枚目のオリジナルアルバム「450頭の羊」をご紹介しましょう。
まずは簡単な紹介から。ZDOB SI ZDUB(以下ZSZ)は1stアルバムの"HARDCORE MOLDOVENESC"のタイトルでも分かるように元々はゴリゴリのハードコアバンドでした。が、2ndの「ZDUBII BATETI TARE(日本国内では今は亡きプロスペクトミーラさんが輸入・販売してました)」で一変、バイオリンやらラッパの音、打楽器の多様化(バンド名は太鼓を叩く音「どんどこどん」という意味)、そして故郷の音を取り入れて完全に自分たちのスタイルを確立、今に至ります。活動範囲は東欧〜ロシアといった感じかと思います。(ちなみに3rdアルバムは部分的にしか聴いてません。買おうっと。)
で、今回のアルバム「450頭の羊」です。このアルバムを買う前、2003年にオフィシャルサイトで公開されていた"Everybody in the casa mare(*)"という曲のビデオクリップ。ゆったりとした曲調ながら、畳み掛けるようなボーカルと、MC ワシリーなるおっさんをフィーチャリングした牧歌的なサビがなんだかとってもかっこよくて、この1曲のためだけにもアルバムを買おう、と思ったくらいに印象的。
実際手に入れて聴いてみると、アルバム全体が非常にバラエティに富んでいてハードコア一辺倒だった初期から比べるとかなり聴きやすくて楽しいのです。イントロからは全然想像つかない展開を見せる曲があったり、絶対に音楽的にメジャーな世界では有り得ない感じのメロディ(一部日本民謡っぽいかなぁと思った)があったり、部分的にハードコアな部分を残してるのに曲全編に渡って祭囃子のような横笛の音が流れてたり(その後女性の民謡コーラスが入ったりする)、ほんとに唯一無二な音を出すバンドになったなぁと思うのです。
で、このアルバムに収録されているお目当ての"Everybody in the casa mare"なんですが、前述のビデオクリップとは違って、ガリック・スカチェフ(*)が牧歌的なサビの部分をダミ声でがなっていたりします。オケの部分はほとんど変わらないんですけど。私、このバージョンよりもワシリーおじさんバージョンのほうがいいなぁ。とぼけた感じで。
なおこのロシア盤なんですが、"Everybody in the casa mare"のライブ音源と、"Everybody in the casa mare"のビデオクリップ(ワシリーバージョンとスカチェフバージョンを混ぜたもの!)と収録曲"DJ Vasile"のビデオクリップを収録。これはロシア盤のみのボーナスなので、買うならロシア盤を狙ったほうがよろしいかと思います。あと、ロシア盤とヨーロッパ盤ではジャケットが違います。
実はこのアルバム、当初ルーマニアやドイツではリリースされていたものの、ロシア盤が出ておらず、このアルバムを手に入れるために様々な方々にご迷惑をおかけしたことをこの場を借りてお詫びいたします。そして私がこのアルバムを手に入れるために尽力してくれた方々に心からお礼申し上げます。なんか、この盤はロシア国内でリリースするのに揉めたみたいですね・・・。
というわけで、このアルバムは今年リリース中ではかなり上位。いいと思うんだけどなぁ。
※追記(2007年2月2日):
mixi上で"Zdob si Zdubコミュ"を立ち上げてみたものの、誰も・・・。
※ モルドバ共和国:旧ソビエト連邦で、独立後はルーマニアに併合・・・するように思えてしなかった国)
※ casa mare:ルーマニア語だとしたら大きな家って意味ですか?
※ ガリック・スカチェフ:ブリガータ・エスという伝説的バンドにいた人。感覚的にわかりやすく言うと、忌野清志郎が若手のバンドで朗々とサビを歌い上げているようなもんです。
※ トラックバック用:
ルーマニアから:農耕世界を歌うロックバンド 2007.01.25追加
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